お留守番

今日は本当は夫の会社の人たちとお花見の予定だった。私も行くことになっていた。
でも数日前から行きたくない気持ちがどんどん強くなって、結局私だけキャンセルしてもらった。
こういう花見も今年で三年目。
最初の年は期待に満ちていた。
はじめて会う夫の職場の同僚さんたち。
私自身が勤めていたとき、同期の男の子が奥さんを連れてきて、その奥さんと意気投合して仲良くなって、旦那さん抜きで遊ぶ仲になったので、そこまでは無理でも気の合う人がいるんじゃないかって。
結婚して遠くに引っ越してきて、近所に誰も知り合いがいない。偶然誰かに会う可能性はゼロ。誰も私の名前を知らない。そういう状況にそろそろ限界を感じていた頃だったのでなおさら期待していた。
でも行ってみて…現実は難しいなぁって思った。
そもそも年が近い人があまりいなかった。
入社間もない新人さんたちは若すぎて、若い子同士でワイワイやっていて。
夫の先輩にあたる人たちは落ち着いた家庭を築いていて、お子さんを数人連れていて。
それでも去年、二度目の花見は行った。
その前の年よりさらに悲惨な(私にとって)状況だった。
その日はバーベキューで、朝から準備を手伝った。そしてすべての準備が整い、食べはじめようかという頃、続々と家族連れがやってきた。
小さい子を連れているその人たちは、別のシートをババーンと陣取りまったく動こうとしない。もともと夫の会社で派遣社員として働いていて、結婚相手と知り合い、結婚後退社した奥様ばっかりで、夫の職場の人とも知り合いだし、奥様同士も知り合い。話もはずんでいる。
もちろん小さい子から目を離せなくて動けないんだろうけど、そこへ入って行って仲間に加わる勇気は私にはなかったし、楽しそうとも思えなかった。
結局夫以外の人とはほとんど話さずに終わった。つらい一日だった。
子供が出来たら変わるんだろうか。子供がいたら、私もその世話に追われて、気がまぎれるだろうか。そう思っていたけど授かっていない3年目の春。
あぁ、今年もまたあの居心地の悪い一日が来るのかと思うと憂鬱だった。
で、生理になってしまったこともあって、行くのをやめた。
二日目で生理痛はひどいし、出血量も結構多い。お花見の会場のトイレは去年30分くらい並んでようやく入れた記憶がある。しょっちゅうナプキンを換えたいのに、そのたびに30分も並んでいるなんてバカバカしい。
行かなかったことで私は少し気楽になった。
でも、行かなかったことで、嫌なことから逃げているだけなんじゃないか、そんな風に避けているだけじゃダメなんじゃないか、弱い自分を甘やかしているだけなんじゃないか、と別のプレッシャーが私を責めます。