深紅(野沢尚)

引き続き、読書の話題を。。。
この本を読むきっかけは、何かのテレビ番組で、映画化決定ということを聞き、そのとき聞いた内容が面白そうっ!と思ったから。
あらすじは、小学校の修学旅行中に両親、幼い弟二人を惨殺された少女が大人になり、自分の家族を殺した犯人にも自分と同い年の娘がいたと知り、彼女の所在を探り当て、自分の正体を隠したまま彼女に近づく。そして二人の女性はどうなる!?といった感じでしょうか。
第一章は旅行中の少女の視点で描かれ、何が起こっているのか大人たちがはぐらかす中、冷静な眼で周囲を見、考える姿が印象的です。12歳の少女の頃、思い返してみると自分も結構大人びた思考をしていたと思うので、そういった少女ならではの鋭さがまっすぐ描かれています。
そして第二章ではいきなり、殺人犯の独白。まったくの被害者として見ていた家族に対する先入観が少しずつはがれていきます。殺す側にはそれだけの理由がある…のかなぁ。
第三章以降は二人の少女(もう大人)が出会い、二人の関係が徐々に深まっていきます。静かに物語りは進行します。もっと泥沼、修羅場を想像していたけどそういうのはあまりなし。もちろん、心の中では様々な葛藤が繰り広げられるのですが。
最終的には私は「うーん、そういう終わりかぁ」と少し物足りなくも思いましたが、非常に爽やかな、明るい終わり方になっているのではないかと思います。
映画になったら、劇場では見ないだろうケド、レンタルして見ようかな。