入院一日目(1/26 木)

朝のトイレもビクビク。でも同じく、茶色いものはあっても赤いのはない。もう止まっているようだから大丈夫だろうと信じる。
今日はちょうど診察の予定が入っていたけど、予約時間は12時だったので、朝一番で診て欲しくて念のため病院へ電話する。
そういう場合はすぐ診ますから朝一番で来てくださいね、と言われる。
そろそろ自宅安静も解除のはずだったのに…また自宅安静になっちゃうな、と思いつつも、まさか入院になるとは思わずに病院へ。
診察室に呼ばれ、出血の状態、痛みの有無などを聞かれる。痛みは無い。出血も今は止まっているみたい、と答える。
次は内診台へ。先生いわく、前よりちょっと量が多いね…。まだ膣内に出血がたくさん残っている。赤ちゃんは元気だけど…入院して安静にしたほうがいいと思います。と言われる。とりあえずもう一度診察室で話しましょう、と診察室へ戻る。
今日はお一人ですか?と聞かれ、夫が一緒に来ています。と答えると、ではご一緒に聞いてもらいましょうね。とアナウンスで夫が呼ばれる。
突然呼ばれてたぶんすごくびっくりして悪いことも想像しちゃったであろう夫に、まずは安心して欲しくて、入ってきてすぐにもらったばかりのエコー写真を見せてにっこり笑ってみせる。
そして先生から同じ内容の説明。ただ赤ちゃんの袋と子宮の間に血の塊が出来てそこから出血する場合があるんだけど(いわゆる絨毛膜下血腫だと思う)ではないし、子宮口も閉じていて今すぐ赤ちゃんが出てきてしまいそうな危険な状態ではないですよ、と言われる。
ただやっぱり安静にしたほうがいいし、入院して安静を守ったほうがいいということで入院をオススメしますが、どうですか?と。
承諾する。
そして看護師さんに案内され病棟へ。
同じ部屋の方は妊娠中の方ばかりだということ、とりあえず用意するもののメモなどをもらい、ナースステーションで血圧の測定と採血を受ける。貧血の有無などを調べるらしい。
部屋に案内される。4人部屋で窓際、明るくて暖かい。全員がカーテンを閉め切ってひっそりとしていて、ちょっと怖い。前に筋腫の手術で入院したときはカーテンは昼間は開いていて、少しお話をしたりもしていたのに…。
私が入院した病院は病院着があり、全員それを着るのでとりあえずそれに着替えるように言われる。甚平さんの上だけのような、膝くらいまでの薄い病院着。今の時期は寒いからみんな下にはスパッツとかはいてますよ、と聞いていたので、ちょうど履いてきたスパッツをそのまま履いておく。
先生が書いてくれた「入院療養計画書」なるものを見ると、期間…未定と書いてある。はぁ、どれくらいになるんだろう?早くて一週間、もしかしたら一ヵ月くらいかかるのかもしれない、と少し寂しくなる。
用意するように言われたものは「湯のみ、箸、下着、洗面道具、タオル」くらい。入院するつもりなんてなかったから夫に取りに帰ってもらわないといけない。何がいるか考えてメモを取る。
ナプキン、筆記用具、水、シャンプー、リンス、ボディーソープ、化粧水、乳液、ハンドクリーム、ブラシ…とりあえず思いついたものを持ってきてもらうことにする。
その間に私は点滴をされる。しばらくはズファジランという子宮収縮抑制剤(いわゆる張り止め)とアドナという止血剤が入った点滴を24時間投与される。でも点滴スピードはかなり遅く、30滴/1分で500mLを17時間くらいかけるから、それほどトイレの心配をしなくてもよさそう。この点滴には滴数を調節する機械がついていて、トイレに行くにはコンセントを抜いてバッテリーで稼動している機械を引きずって
行かないといけないけど、ちょっとした振動ですぐ止まってピーって鳴るから気をつけてね。でも鳴ったらすぐ看護師が飛んでくるから気にしないでね、って言われる。そしてバッテリーが30分くらいで切れるから、あんまり長く離れないよう気をつけて、とも。
病院側からは時計と体温計が貸し出される。時計はデジタル電波時計の結構見やすい、いいものだった。持ち出し禁止って大きなシールが張ってある、持って帰っちゃう不届きモノがいるんだろうなぁ。
そうこうするうちにお昼になる。夫が家から持ってきてくれたものを見たら、下着のつもりで持ってきてくれたのは妹から借りたガードルタイプの腹帯だった…。とりあえず今日は着替える下着が無いらしい。とほほ。
まぁとにかくゆっくりしているしかないので、午後から仕事に行く夫を送り出し、ひたすら寝る。昨夜熟睡できていないから、身体も疲れているし、テレビも見ずにいろいろ考えながらボーっと過ごしているうちにあっという間に夕方になる。
午後2時過ぎには同じ部屋の人が呼ばれて「外来診察」とやらに行ったけど、私は呼ばれなかった。どういうシステムなのかなぁ?と一日の生活の流れが気になる。
あ、実家にも電話した。ロビーの公衆電話。久々にテレホンカードを使ったけど、さすが関東から東海への遠距離電話!見る見るうちに度数が減っていく。まぁ、使う機会が無くて困っていたテレカだからいいんだ。心配している様子だけど、来てもらっても家は汚いし、来なくて大丈夫だからねと言っておく。病院の電話番号と住所だけ念のため知らせて、と言われたけど、貴重品はすでに夫に持って帰ってもらったあとだったので、夜夫に電話してもらうことにする。
夕食は17:30頃。私は塩辛いのが苦手なので、薄味の病院食は結構なんでも美味しく食べられる。あとで同室の他の人が見舞いに来た友達に「味が無い」と文句を言っているのが聞こえたけど、私には何の問題もなかった。
夫は仕事をかなり早く切り上げて、弁当を買って19時頃到着。
面会時間の20時まで一時間、のんびり過ごして帰っていった。
そのあとは歯磨き、洗顔を済ませて、夜の回診というのを受けた。先生が一瞬だけカーテンの隙間から顔をのぞかせる。「お変わりありませんか?」「はい、大丈夫です」とひと言だけのやり取りが終わり、回診終了らしい。そんなもの?
21時就寝。眠れないかもしれないけど、とりあえず寝る努力をする。
暗い中、一人きりで考えているとどんどんと申し訳なさでいっぱいになる。
夫が望む赤ちゃんをずっとずっとなかなか授かれなかった私。たぶん、私の子宮筋腫や腺筋症などのせいで。
そして結婚して3年半、ようやくやってきてくれた赤ちゃん。なのに子宮腺筋症があるせいで張りやすく、もしかしたらそのせいで出血しちゃったのかもって。
もともと手抜きな家事だけど、最近は自宅安静でますます手抜きで、その上入院して、夫は仕事を頑張って早く切り上げたり半休とったりしてもらってる。掃除も洗濯も料理も行き届かない家で一人にさせちゃった。
ごめんね。ごめんね。って泣けてきて、夫にメールする。
難しいこと考えずに、今はゆっくりしなさいって返事が来てまた泣いた。
0時頃まで眠れなかったし、夜中に何度も目が覚めたけど、こうして一日目は終わった。