こうして生まれる

おなかの中のリアルな赤ちゃんが見られる本が読みたいなぁと思っていた。
以前そういうのを図書館でちらっと見たことがあったので。
いろいろ検索してみて、とりあえず図書館で何冊か予約したら、まずはこの本が手元に届いた。

こうして生まれる―受胎から誕生まで

こうして生まれる―受胎から誕生まで

CGを駆使したリアルな画像。
神経とか、脳とか、心臓とか、そういうのがたった一つの受精卵から分化してみるみるうちに出来上がっていく様子が手に取るようにわかる。
日本とは多少数え方が違うものの、受胎何日目、というところで、だいたい今の自分のおなかの中の赤ちゃんと同じ大きさを見つけ、ますます愛おしさが増す。
本当に、タツノオトシゴのような、勾玉のような、愛らしい形態。
でももう、瞳があったり、心臓が四つの部屋に分かれて動き始めていたりするんだ。
心配な気持ちが大きかったけれど、この本を見て、もうくよくよと心配するのはやめようと思えた。
間違いなく、土曜日生きていた赤ちゃんを応援しよう。
素晴らしいスピードで分裂を繰り返し、細胞たちは取捨選択され、必要なものが生き残っていく厳しい生命の世界。
もしあなたが生きられないとしたら、それはとても哀しいけれど、それは生命の世界で生きていくための大切なプログラムを間違ってしまった染色体の異常なのだから、仕方がない。
少しでも間違ったら、この複雑な成長の毎日は生き抜けないよな…と実感した。
昔、生物などの教科書以外の図解本をわくわくしながら眺めた人にはオススメの一冊。
細胞の構造とか、あぁなんて美しいのって思った人、分裂のプログラム、すばらしいって思った人にはオススメです。
あぁいうの、気持ち悪いって思った人にはちょっとみせられないかも。

妊娠初期ならばそれこそ毎日、あぁ、今日は○○が出来るのねってわくわくしながら眺められます。
今妊娠してなくても、妊娠を望む人ならば、受精するとこんなことが起こるんだ〜って思い、卵管や子宮内をころころと転がる受精卵を想像したりするイメージトレーニングにも最適の一冊です。
流産しそうかもって言われて落ち込んでいた私のような人にも、少なくともさまざまな困難を乗り越えて受精し、着床し、その日まで成長してきたおなかの赤ちゃんを応援したくなる、今日まで頑張ったねって誉めてあげたくなる、もし残念な結果に終わっても、赤ちゃんがどんなに厳しい世界を生き抜いて頑張ってくれたかがわかり、前向きな気持ちになれる一冊だと思います。